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HOME 読み物一覧 冊子「青いスピン」 作品募集 リンク お問い合わせ HOME 読み物一覧 詩を求めるとき 創刊準備号 2022,4月号 2023/04/03 詩を求めるとき 文ふ月づき悠ゆ光み エッセー 随筆  「人生には詩が必ひつ要ようだ。」そう断だん言げんできる人は、あなたの周りには少ないかもしれない。教科書にのっている詩に退たい屈くつして「何のために詩なんて読むのか。」といぶかしく思っている人もいることだろう。 詩を書く者として、その疑ぎ問もんに答えたい。 日にち常じょう生活で自分の感覚に注意を向ける機会はまれだ。外部の情じょう報ほうばかり気になってしまう。無む意い識しきにいらだったり、胸むねが熱くなったりすることはあるが、なぜそれが起きるのか、体が今どのような状じょう態たいにあるか、よく分からないことが多い。 そんなとき、詩を読むことは「今の自分」を知る手がかりになる。詩からまず何を感じるか。素す直なおに受け取ってみるのだ。よろこびか、さびしさなのか、つき上げるような興こう奮ふんなのか。詩のどの部分からその感情がわき出しているか、細部を観察してみる。すると、今の自分にとってささる一行や、心地よい音のひびきが見つかるだろう。そのことで今の心の状態が見えてくるのだ。 日によって、気になる一行が変わることもある。たとえ詩の内ない容ようが分からなくても大だい丈じょう夫ぶ 。「今は言葉がうまく入ってこない。」というのも、一つの発見だ。この読み方は、「言葉の解かい像ぞう度ど」を上げる訓練にもなる。一行を吟ぎん味みする力を養い、自分の気持ちをより的てき確かくに表ひょう現げんすることに役立つのだ。 詩を求める理由について、私わたし自身の体験もつづってみよう。私はあるとき、谷たに川かわ俊しゅん太た郎ろうさんが二十代後半に書かれた作品を読み返していた。谷川俊太郎さんは一九三一年生まれの詩人で、日本を代表する詩人の一人。自分と同世代だったころの谷川さんがどんな詩を書いていたのか気になったのだ。谷川さんといえば、作風もお人がらも泰たい然ぜんとされていて、さっぱりとした印象が強いかた。だが、二十代後半のころの詩に刻きざまれていたのは、意外なほどに激はげしい感情。いかりや葛かっ藤とうがあちこちににじむ。「こんな作品も書かれていたのか。」と新しん鮮せんなおどろきを覚えた。 特にひかれたのは、「頼たのみ」という作品だった。〈裏うら返がえせ 俺おれを〉という詩し句くのくり返しが音楽的にひびく。〈俺の胃いや膵すい臓ぞうを草の上にひろげて/赤い暗くら闇やみを蒸じょう発はつ させろ〉といったいかりを経へて、〈裏返せ裏返してくれよ俺を〉と懇こん願がんする着地点は、もの悲しく、さびしげでもある。けれど読みながら、私は己おのれの傷きずついた心がいやされていくのを確たしかに実感した。 いかりやなみだ、血を見ると、それがちゃんと「きたない」ことに、安心する自分がいる。同時に、自分の内にもそれと似にたものがあることに気づく。もちろん詩の言葉は「きたない」だけではない。そこには日常で忘わすれかけた感覚がていねいに言語化されている。言葉にすることは、その存そん在ざいを「認みとめる」ということだ。ふがいない自分。繊せん細さいすぎて殻からにこもる自分。相手にとげとげしい態度をとっては、自じ己こ嫌けん悪おにおちいる自分。みにくい自分――。私たちは、こんなにもむき出しで弱い「自分」をかかえながら生きている。   一見「きたない」と切り捨すててしまいそうな、認めがたい感情を、詩は静かに受け入れてくれる。そんな包まれるような体験を求めて、私は詩を読み、詩を書いているのだ。 私たちは社会との間で、ときに折り合いをつけられず、いらだち、なみだを流す。学校や家庭での身近な人間関係になやむ人もいるだろう。「普ふ通つうに生きる」ことの難むずかしさと、ままならなさ。そんなとき、詩はつらい気持ちの吸きゅう収しゅう剤ざいとなり、あなたのいちばん近くに寄よりそうだろう。「本当に?」と思った人は、図書室にある詩集を見てみよう。しんどいときは思い出してほしい。ふがいなくて、かっこわるい「私」を、詩の言葉が救すく ってくれることを。 絵・尾柳佳枝 文ふ月づき悠ゆ光み 詩人。北海道出身。著ちょ書しょに「適てき切せつな世界の適切ならざる私わたし」「洗せん礼れいダイアリー」などがある。 読み物一覧へ戻る 関連作品 2023/04/03 国語と声優 森もり川かわ智とし之ゆき エッセー 2023/05/31 俳句、その自由な光 神こう野の紗さ希き エッセー 2023/10/02 「てつがく」してみませんか 永なが井い玲れ衣い エッセー カテゴリー 物語 (14) エッセー (9) 科学エッセー (4) 随筆 (5) イラストエッセー (5) ノンフィクション (4) コラム (9) お知らせ (3) 入選 (3)佳作 (2) 掲けい載さい号 第4号 2024年,4月号 第3号 2023年,9月号 第2号 2023年,4月号 創刊号 2022,9月号 創刊準備号 2022,4月号 人気の作品ランキング HOME 読み物一覧 冊子「青いスピン」 作品募集 リンク お問い合わせ プライバシーポリシー 本サイトに掲載している文章・イラスト・記事画像の無断転載を禁じます。 Copyright © 2022 by TOKYO SHOSEKI CO., LTD. All rights reserved.

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